これって実は、男の感覚なのである。男同士で、たとえば困っているとき「気持ちはわかるよ」などと相槌ばかり
打ってもらってもしょうがないし、そういう余計なことはいわないが、女同士の会話を横で聞いていると、この種の無意味な相槌が実に多い。この特徴はメディ
アでも顕著で、立花隆氏は女性週刊誌のアンカーをつとめていたころ、記者の書いた記事に「なんと悲しい話だろう」といった形容詞をたくさんつけて読者を感
情移入させるのが編集の仕事だったと語っていた。
これに対して新聞や男性週刊誌は重複や感情移入をきらい、対象と距離を置いて皮肉な見方をするのがジャーナリストとされている。テレビでも、NHKの番組
はこういう男の感覚でつくられているが、これは供給側の論理だ。視聴者の多数派である女性は情報よりも情緒を求めているので、それに忠実につくられた冗漫
で大げさな民放の番組のほうが日本人の感覚を正直に表現しているのだ。ヒトラーは「大衆は女だ」と言ったというが、これは彼が大衆社会の本質を把握してい
たことを示している。
メディアはマッサージである - 池田信夫 blog(旧館)